RTCA/DO-160のEMC要求に最適なコネクタ対策とは
RTCA/DO-160は、米国の業界団体、RTCA(*1)が策定した、航空機搭載機器に対する環境条件と試験手順です。FAA(*2)やEASA(*3)などの主要な航空当局が引用しており、航空宇宙分野においてスタンダードな試験要件として位置付けられています。現在、DO-160の試験要件は、小型民間航空機、ビジネスジェット、ヘリコプター、リージョナルジェット、ジャンボジェットなどあらゆる航空機に適用されています。
DO-160は環境とEMCの両方の要素を含み、環境に関しては、MIL規格に準じたコネクタを選定する等の対策で適合できますが、多くの設計者を悩ましているのがEMC(Electro-Magnetic Compatibility:電磁環境適合性)です。
DO-160のEMC項目には、機器が発生する電磁波EMI(Electro-Magnetic Interference:電磁障害)と機器の電磁波に対する耐性EMS (Electro-Magnetic Susceptibility:電磁耐性)に関する試験手順が記載されており、設計者は機器が発生する電磁波を抑えるとともに、機器の電磁波に対する耐性を高めること、つまりEMI対策を行う必要があります。
EMI対策の手段としては、安定したグランドを設けること、フィルターを使用すること、シールドを施すことが挙げられますが、コネクタにおけるEMI対策には、どのようなものがあるでしょうか?ここでは、3つの対策について紹介します。
(*1) Radio Technical Commission for Aeronauticsの略で、1935年に米国で設立された民間非営利の航空技術諮問機関。
(*2) Federal Aviation Administrationの略で、アメリカ連邦航空局を指す。
(*3) European Aviation Safety Agencyの略で、欧州航空安全機関を指す。
コネクタの主なEMI対策
フィルターコネクタを使用する
EMI/EMPフィルター組込みのコネクタを使用することで、機器内に入る前の信号からノイズ成分をカットし、機器内部をクリーンに保つことができます。ご要望のカットオフ周波数に応じた静電容量の多層平板コンデンサをインシュレータに内蔵し、GND 電極はシェルに接続されるため、確実に、ノイズ成分が外部(筐体)に放出されます。
アンフェノールが卓越した技術力を誇る、最も理想的なEMI対策です。
PCBコンタクトを使用する
パネル取り付けコネクタのコンタクトをPCBテイル(基板取り付け)タイプにすることで配線を無くし、配線からのノイズの拡散及び配線へのノイズ干渉を無くすことができます。
EMIガスケットを使用する
パネル取り付けコネクタのフランジとパネル間に導電性のあるEMIガスケットを挟むことで、電気的な隙間を無くし、機器からのノイズの拡散及び機器へのノイズ干渉を抑えることができます。
ARINC404 など、RTCA/DO-160のEMC要求を満足する角型フィルターもラインアップしています。不要電磁波、ESD(静電気放電・サージ)対策を検討されている方は、是非、弊社にお問合せください。
EMI/EMP対策については、こちらのガイダンスも参考にしてください。