NAFIコネクタ

NAFIコネクタ

1960年代後半にアンフェノールが米海軍と共同開発したNAFI(Naval Avionics facility-Indianapolis)コネクタは、0.1インチ(2.54mm)ピッチでフォーク&ブレイドコンタクトを配した汎用性の高いボードコネクタです。

マザーボードへの実装工数低減に効果的なプレスフィットコンタクトを標準装備していますので、大型マザーボードに多極のコネクタを介して複数のモジュールボードを接続するアプリケーションに最適です。

NAFIコネクタの特長-その1- MIL規格適合コンタクト

MIL-C-28859適合フォークコンタクトとMIL-C-28754適合ブレイドコンタクトの組み合わせは、優れた電気・機械特性を実現します。

NAFIコネクタの特長-その2- プレスフィットコンタクト

マザーボード側NAFIコネクタに取り付けられるフォークコンタクトは、プレスフィットタイプが標準仕様となります。基板スルーホールにプレス機を用いて一括圧入できるため、半田実装に比べ飛躍的に実装工数を低減できます。特に多極のコネクタを用いて、多くのモジュール基板を接続するような大型マザーボードアセンブリに、NAFIコネクタは最適です。

また半田を用いないため、RoHS対応したクリーンな無半田実装が可能となります。

NAFIコネクタの特長-その3- デザイン自由度の高いピンアレンジ

NAFIコネクタは、2列から最大5列までの配列が可能です。インサートブロックは1ピンづつ分割されているため、総コンタクト数はお客様にて自由にデザインいただけます。ただし、総コンタクト数に対応した形状のメタルシェル(モジュール側NAFIに取り付け)がない場合は、新作対応いたします。

モジュール基板への実装は、スルーホール半田実装とSMT(表面実装)の両方が可能です。コンタクトのテイル部分が90°に曲がったタイプを用いれば、スルーホール半田実装が可能です。またコンタクトテイル部にフレキシブル基板を取り付けたタイプを用いれば、表面実装が可能です。

NAFIコネクタの特長-その4- 様々な接続形態に対応

モジュール側NAFIに、テイル形状がストレートのフォークコンタクトを用いれば、基板を平行にスタック接続することが可能です。
またモジュール側NAFIに、クリンプ仕様のフォークコンタクト(AWG#22~#26)を用いれば、ケーブル付きNAFIコネクタとなるため、マザーボードに直接ケーブル接続できるIO(インプット/アウトプット)コネクタとして使用いただけます。

NAFIコネクタの特長-その5- ターンキーソリューション

弊社では、マザーボードの設計/製造からNAFIコネクタの実装及び検査まで、一括して請け負わせていただくことも可能です。NAFIコネクタに限らず、MIL丸型コネクタやMicro-Dコネクタなどの実装も承っております。

電気特性,機械特性

使用温度範囲 -55℃~+125℃
定格電流 Max3.0A/コンタクト
絶縁抵抗 10000MΩ
耐電圧 Min350Vrms@Sea Level
接触抵抗 Max6mΩ/コンタクト
耐振動特性 正弦振動 MIL-STD-1344 2005 III
15G(peak),10~2000Hz,12hrs
ランダム振動 MIL-STD-1344 2005 VI Letter H
16.4Grms,55~2000Hz,45min
耐衝撃特性 ノコギリ波 MIL-STD-1344 2004 G
100G(peak),6ms,18回
耐久性 Min500回
嵌合離脱力 Max63.8g/コンタクト
(=12.8kg/200pinコネクタ)

使用材料

部品 母材質・表面処理
コンタクト
(モジュール側)
母材質:黄銅(ASTM B36 C26000)
表面処理(基板実装部):半田ディップ(錫/鉛=60/40)(MIL-STD-208)
めっき(その他):Ni下地(QQ-N-290)Auめっき(MIL-G-45204)
コンタクト
(バックプレーン側)
母材質:Be-Cu(QQ-C-553)
めっき:Ni下地(QQ-N-290)Auめっき(MIL-G-45204)
インシュレータ
(モジュール側)
PPS(ポリフェニレンサルファイド)(MIL-M-24519)又は耐熱ナイロン6-6(MIL-M-20693)
インシュレータ
(バックプレーン側)
30%ガラス添加PE(ポリエステル)Type GPT-30F(MIL-M-24519)UL94V-0適合
シェル
(モジュール側)
母材質:アルミ合金6061-T6(QQ-A-200/8),
表面処理:黒色アノード処理(MIL-A-8625, Type II, Class II)又はAuめっきまたはクリアークロメート(MIL-C-5541)
誤嵌合防止キー/ガイドピン 母材質:ステンレス鋼(Type303 ASTM A582),表面処理:不動態化処理
キーブッシング 母材質:ステンレス鋼(Type3 ASTM B582),表面処理:不動態化処理

採用プログラム・採用機器

NAFIコネクタは、世界のあらゆる防衛・航空宇宙プログラムで使用されています。

F-22,F-16,F-15,F-111,F-14,Tornadoなどの戦闘機,RAH-66,AH-64アパッチ,AH-1Wなどの米攻撃ヘリ,C-17,C-130などの米輸送機の各種レーダ,ミッションコンピュータ(MCC),電子戦装置(ECM),ヘッドアップディスプレイ(HUD),前方監視赤外線(FLIR),対気諸元計算装置(ADC),次期ミサイル警戒システム(AMWS),ドップラーレーダ(APG-68),夜間低高度航法/目標指定用赤外線装置(LANTIRN)の他、Iridium,Milstarなどの宇宙衛星プログラム、NATO軍向け多機能デジタル通信システム(MIDS),米陸軍向け多目的新型戦術端末(MATT)、NASAスペースシャトル、イージス艦の火器管制システムとレーダ、各種Patriot,Hawk,Tridentなどのミサイルやその発射システム、米空中警戒管制機AWACSレーダ、バージニア級原潜のTB-29ソナーアレイに採用されています。

また民間航空機では、B777の,B747-400,B737-700,A320,MD-80,MD-11のフライトマネジメントシステムやコクピットディスプレイなどに採用されています。

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